Zチャレンジ 最終戦シリーズ(無限列車編)壱 

2019年 11月

あの日 ぼくらは

いとも簡単に

チャンピオンになれると

思ってたよね

でも・・

Zの神様は

そんなぼくらに

手痛い罰を 用意してたんだ・・

2019年 Zチャレンジ最終戦

ポイントランキングで

リードを していた NPC東京 80号車

予選でも 好位置に つけ

普通に スタートして

普通に ゴールすれば

チャンピオンで 終われる

そこにいた 誰もが

そう 思っていました

ところが

まさかの マシントラブル (純正触媒が溶けた)

スタートして

2周目からは スピードが 出なくなってしまいます

最後尾まで 落ちながらも

最後まで 完走する 姿を見て

僕の頭の中は

真っ白になっていました

チャンピオンを 獲った瞬間の ために

友人を いっぱい呼んでいたのに

その友人たちも 言葉を失い

ただ 彼と Zの周りで 立ちすくむのみ・・

遠くでは

逆転チャンピオンとなった

セントラル20チームが 歓声を上げていました・・

その日から

彼の 酒の量は 増え続け

飲んで はしゃいでは

酔いつぶれる 毎日

そんな 痛々しい 彼を 見ていると

胸が 締め付けられそうでした

 

2019年シーズン

チャンピオン獲得に こだわり

RS-3クラスに 残留

この クラスであれば

ほぼ チャンピオンが獲れる 公算でした

レースを 重ねていくと

狙った通りに 勝利が転がり込み

これならもう

何もしなくても チャンピオンだね

そんな言葉が

どちらからともなく

当たり前の様に 交わされていました

勝てないクラスで 戦うよりも

勝てるクラスで 勝つ事が 正義だ

愚かな僕は

そんな 気持ちでいたんです

ところが

最終戦で すべてを 失い

レースを 終えてみると

なにも 残っていませんでした・・

「策士策に溺れる(さくしさくにおぼれる)」

それが 僕でした

このままでは

2人とも ダメになる

そう気づいた ぼくらは

もう1度 挑戦しようと 決心しました

RS-3仕様としては

かなり 煮詰めて

速さもあった マシンを降り

Z34バージョンNISMOを購入(中古)

今までよりも 速いドライバー達がいる

高出力クラスへの 参戦を決めます

この RS-1クラスには

彼よりも速く 百戦錬磨な ドライバーが

数多く ひしめいており

チャンピオンは おろか

入賞さえ出来るかどうかという

過酷な環境となる事は

分かっていました

息のつまる 圧力の中

少しの油断も出来ない この環境でこそ

新たな 挑戦が出来ると

彼が 決意を したからです

緊急事態宣言解除後

初戦となった 袖ヶ浦では

得意な 雨のレースとなり

2位を ゲット

それでも 不動のトップは

7号車にのる 川名選手

まさに 百戦錬磨

向かう所 敵無し の 川名選手に

立ち向かう 武器が

今はまだ 無かった 彼でしたが

決して あきらめず

次戦に 挑みます

緒戦が まるで 嘘の様な 快晴の

最終戦を 兼ねた 第3戦と 4戦

ここで 川名選手に

トラブルが 襲います

決勝レースで フロントを 小破

それでも ぶっちぎりの

トップで ゴールしますが

川名選手は

第4戦をキャンセル

(当初からその予定だった)

ここで 前回

2位に入っていた

NPC東京 80号車の彼は

第3戦も 2位に 入れば

チャンピオンの 望みがあります

しかし

そんな うまい話が あるハズが無く

ここで 2台の

Z-NISMOが 立ちはだかります

82号車 ZERO選手と

54号車 ピカチュウ選手の 2台です

2台ともに

80号車ドライバーよりも 経験値が高く

ラップタイムでも 凌駕されていました

必死で 走った 80号車でしたが

第3戦での 2位入賞は かなわず

辛うじて 3位に 入賞

この時点で

RS-1クラスの チャンピオン候補は 3名

川名選手と ZERO選手

そして 我らが 80号車ドライバーです

最後の 第4戦での 順位で

すべてが 決まります

80号車ドライバーは

ただ 完走すれば 勝てるだなんて

そんな事は みじんもなく

自分自身で 勝たない限り

チャンピオンが 獲れない

ギリギリの 状況でした

しかも ライバルとして 立ちはだかる

2台の Z-NISMOは

まさしく 強敵だったのです

 

つづく